マーキュリー｜ご担当者様インタビュー／暗号資産取引アプリ「CoinTrade」の開発
クライアント
株式会社マーキュリー
2021年3月より、誰でも簡単に暗号資産の取引を始められるアプリ「CoinTrade（コイントレード）」のサービス提供を開始した株式会社マーキュリー。同社は暗号資産関連事業を行うことを目的とし、株式会社セレスの100％子会社として2017年に設立されました。
インタビュー
「CoinTrade」は、使いやすいインターフェースとシンプルなトレードビューが特徴的なアプリです。暗号資産の取引に不安を持つ初心者でも抵抗なく、スムーズに取引ができることから幅広いユーザーに支持されています。また、東証一部上場企業グループが提供する世界最高水準のセキュリティ対策により、安心で快適なトレード体験の提供を実現しています。
・CoinTradeサービスの紹介ページ
https://coin-trade.cc/
セレスグループにおけるスマートフォン端末をメインデバイスとする暗号資産取引サービスの開発にあたり、関連子会社であるゆめみに声がかかったのが2018年5月。当時、一部の先行投資者の間ではビットコインを中心に暗号資産の取引が活性化していましたが、「未知なるものへの漠然とした不安」から、まだまだ一般には浸透していませんでした。
こうした背景から、「暗号資産に興味はあるがなかなか踏み込めない」投資ビギナーの方でも気軽にチャレンジできるサービスの開発に向け、ゆめみはスマートフォンアプリの企画段階から参画。具体的なターゲットやカスタマージャーニー、UX/UIの設計からスタートし、システム開発や運用まで、パートナーとしてあらゆるフェーズで伴走してきました。
今回は、マーキュリーにおける暗号資産関連事業の立ち上げをけん引し、「CoinTrade」アプリの開発や運用の主担当としてプロジェクトを推進されている、山本様、温様にインタビューを実施。プロジェクト全体を振り返りながら、各フェーズにおけるさまざまなエピソードを伺いました。
プロフィール
株式会社マーキュリー システム部 部長
山本 智世（Tomoya Yamamoto） 様
親会社であるセレスでは、エンジニアリーダーとして、横断的なプロジェクト開発や新規提案、社内のインフラやセキュリティシステムの構築など、幅広い業務に対応。マーキュリー設立にあたっての社内基盤の構築や体制づくりを任され、開業後もCTOとして「CoinTrade」運営やマイニング事業に従事。
株式会社マーキュリー 事業部 部長
温 兆麟（Wen Zhaolin） 様
2018年6月に入社以来、サービス主担当として「CoinTrade」開発プロジェクトを立ち上げ期からけん引。リリース後もマーケティング戦略、営業推進など、広範な業務領域で活躍中。
◆暗号資産取引アプリ「CoinTrade」開発のねらい
――まず、「CoinTrade」アプリについて改めてご紹介いただけますでしょうか。
温様：「CoinTrade」は、これから資産運用を始める人や、仮想通貨に興味を持ちながらもなかなか手が出せずにいる人など、投資ビギナーの方が扱いやすいことを前提に開発したアプリです。スマホひとつで、暗号資産に関するすべての取引が完結します。
山本様：「暗号資産は難しそう」という心理的なハードルを下げるためにも、わかりやすさには徹底的にこだわりました。画面のデザインや文言は極力シンプルにし、複雑な機能や操作手順はできるかぎり省くなど、直感的に操作できるインターフェースを追求しました。
温様：煩雑さを解消するため、取り扱いはビットコインやイーサリアムをはじめとしたメジャーな5銘柄に絞っています。また、アプリ内で暗号資産に関連するニュースを配信するなど、ユーザーが欲しい情報をアプリ内で収集できるようにもしています。
今回はゆめみさんが我々の開発意図をしっかりと理解した上で、具体的なターゲットやカスタマージャーニーマップの設計から関わってくださり、UX/UIに反映してくれたことが大きいですね。
――暗号資産取引の初心者層にハードルを感じさせない「CoinTrade」のコンセプトメイクについて、当時のお取り組みをお話しいただけますか。
山本様：最初のペルソナ策定のところから、ゆめみさんと二人三脚で進めていきました。その後、カスタマージャーニーマップから抽出された課題を精査しながら、細かなところまでを詰めて要件に落としていきました。
最初の依頼から要件定義書の作成までは1ヵ月ほどと、スピード感をもって進めていただいたことには感謝しかないです。
温様：私が入社した時には、すでに完成した要件定義書がありました。個人的に暗号資産への投資を経験していたこともあり、ターゲットユーザーに近い目線でそれを見たとき、自分が期待するイメージ通りのサービスだと思った記憶があります。
山本様：業界では後発組となるため、競合他社との差別化にも注力しました。暗号通貨への投資が一般にも普及していく中で、誰にとっても身近なスマホにサービスを特化することで、選ばれるツールになるという確信がありました。
温様：競合は株やFXなどに強い企業が多く、暗号資産取引サービスについても、従来の投資家向けのUIを踏襲するものがほとんどでした。投資に慣れた人や知識のある層には見やすく、ストレスなく操作できるものですが、逆に初心者には難解な印象があります。
そこで「CoinTrade」においては、普段使いのアプリに近いインターフェースを目指しました。その点でも、多種多様なアプリの開発実績を持つゆめみさんの知見は何より頼もしかったです。
山本様：ログイン前後にチュートリアル（手順解説画面）を入れることや、途中で迷子にならないよう細かく配慮した導線設計などは、ゆめみさんからユーザー心理や目線に寄り添った提案をもらえて初めて気が付けたポイントでしたね。
――UX/UIへのこだわりが大変伝わってきます。他にもポイントがあればご紹介いただけますか。
山本様：たとえば、スマホアプリになじみのある層には圧倒的に使いやすい、画面下部からのスワイプで各銘柄の現在の価格を表示できるUIを採用しました。
温様：他にも口座開設から出金、購入までのステップなど、あらゆる操作におけるプロセスを極力簡素化しています。とくに購入時は、気になる銘柄をタップするだけでそのまま手間なくスムーズに購入できるよう設定しています。
（CoinTradeサービスの紹介ページより引用）
他社のFXアプリのように、初心者には使いこなせないような分析ツールは一切入れていませんし、金額表示もシンプルにまとめています。eKYC（オンライン上で電子的な本人確認が完了できる仕組み）も導入し、アカウントを作りやすくしたことも工夫のひとつです。
（CoinTradeサービスの紹介ページより引用）
山本様：ユーザー向けには無駄をそぎ落とすことを重視しましたが、一方では金融業界ならではの法律やガイドラインなど、遵守すべきことも多くありました。記載すべき事項や表現方法にもルールがありますので、専門的な知識が必要となるシーンも多く苦労しましたね。
正解がわからずモヤモヤすることもありましたが、ゆめみさんのプロジェクトチームの中に金融システムの開発・運用経験を持っている方がいたり、アプリストアへの申請に関しても技術的な部分でアドバイスをいただくなど、ゆめみさんには知識やノウハウの提供といった点からもバックアップしていただきました。
――うれしいコメントをありがとうございます。ほかに、プロジェクトを通して印象に残っていることがあればお聞かせください。
山本様：ゆめみさんは総じてコミュニケーションが取りやすく、作業面においても常に即レスしてくださっていたので、進め方としてはとても満足しています。
ただ、本プロジェクトはマーキュリーにとっても新しいチャレンジでしたので、まずは暗号資産の理解にはじまり、社内の体制づくりや官公庁とのやりとりなど、あらゆることが手探り状態でした。
アプリの開発自体は順調に運んでも、金融庁への確認や販売所登録にかかる申請に走り回るようなこともあり、その独特なプロセスには本当に悪戦苦闘しました。
温様：強いて苦い思い出を披露しますと、開発途中に大きな仕様変更が発生し、後続スケジュールがかなり厳しくなってしまったんです。そのときは皆一切の余裕がなく、互いに電話などで励まし合いながらなんとか乗り越えましたよね（笑）。
――最後に、今後の展望やゆめみに求める役割などについてお聞かせください。
温様：アプリのリリース後、常に自分の中の課題としてあるのが、時間や予算の制約で詰められなかった機能面をブラッシュアップしていきたいということです。ログイン時の自動入力など、実に細かい部分ではあるのですが、さらなる利便性向上のため、引き続き改善を続けていきたいです。
加えて、マーケティング施策もより充実させていきたいですね。新機能や新サービスに付随するキャンペーン施策などを実施することで、アプリの拡大や売上増に貢献したいです。
山本様：ユーザーに愛されるアプリとして細かなブラッシュアップを重ねていくのはもちろんですが、暗号資産に興味がありながら難しくて手が出せなかった人や、過去にトライしたけど挫折したような方々にとって、「CoinTrade」が暗号資産取引に初めて、または再び触れるきっかけになれるよう、アプリとして成長していきたいです。
加えて、新たな柱となるような新サービスも開発中です。ゆめみさんに引き続き協働いただきながら、独自の視点でこれまでにはなかったサービスを生み出したいと思います。
――本日はありがとうございました！
アプリ情報
【CoinTradeではじめる暗号資産（仮想通貨）取引 – iOSアプリ】
【CoinTradeではじめる暗号資産（仮想通貨）取引 – Androidアプリ】
提供サービス
＜アプリ開発事例（一部）＞
マイナビ｜「マイナビ転職アプリ」ご担当者様インタビュー 多様な視点を持ったチームで挑む、新たなユーザー体験づくり
マクアケ｜スマートフォンアプリ「Makuake」 アタラシイ共創でMakuakeアプリの持続可能な成長を実現
エイベックス・エンタテインメント／エイベックス・デジタル｜〝音声AR体験〟で新感覚の没入型エンタテインメントと社会ソリューションを実現する「SARF」アプリの開発
その他のプロジェクト事例は、こちらを御覧ください。
