大阪ガス様が2017年より展開する新規事業創造プログラム「TORCH(トーチ)」は、「117年の灯火(ともしび)を受け取り、次の100年の灯(ひ)をともす」を合言葉に、新しい事業を世に送り出しています。
ゆめみは今回、同プログラムから生まれた”本との出会いを創出するアプリ”「taknal(タクナル)」のUX/UIレビュー、デザインリニューアルを担当。2022年10月24日に発表された、新バージョンのリリースに向けて共創いたしました。
※掲載されている情報は2022年11月公開当時のものです。
“人とのすれ違い”を”本との出会い”に変える「taknal」は、同アプリをスマートフォンにインストールしたユーザー同士が物理的に「すれ違う」ことで、互いにオススメの本を交換できるアプリです。日常の何気ない移動時間や通勤時間を、本であふれる価値ある楽しい時間へと変えることができます。
「taknal」は2020年のリリース後、16万人以上のユーザーを獲得し、累計14万冊を超える本が交換されるなど、順調に成長を続けています。このようにサービスとしての基盤が整いつつある中で、UX/UIを抜本的に改善し、よりアプリの完成度を高めたいという狙いがありました。
こうした背景から、ゆめみは2022年4月より、taknalアプリチームに参加。ワークショップ等を通じたサービスロードマップの明確化と、新バージョンのアプリデザインの制作、そして大阪ガス様と関係ベンダー様を含むtaknalアプリチームのチームビルディングを担当いたしました。
現在は、taknalの企画・立案/プロデュースを担う大阪ガスの新規事業創造ユニット、開発/運営を担うヱビス株式会社、そしてデザイン/チームビルディングを担う株式会社ゆめみが、合同プロジェクト「taknal編集部」として、共にtaknalの事業化に取り組んでいます。
新しくなったアプリでは、taknalが大切にしたい
はそのままに、もっと「本との出会い」にわくわくできるように、以下の点をバーションアップしました。
■タイムラインのデザインを一新
一冊一冊の本が目に飛び込んでくるような使い心地に。本の表紙と感想コメントから、直感的な出会いを楽しんでいただけます。
■選べる感想コメント
気軽に20字以内で書けるコメントと、さらに100字以内で書く自由コメント。ススメたい本に合わせて選べます。ご自身の記録用にも。
■ダークモード対応
ダークモードでもデザインが見やすく、タップもしやすくなりました。
今回は、taknalの事業化を推進された富田 翔様と、現在のアプリチームを率いる中村 大輝様に、今回のデザインリニューアルの背景や、ゆめみとの取り組みについてコメントを頂戴しました。
富田 様
taknalは2020年のリリース以降、限られたリソースで、スピード感を持って事業を立ち上げてきました。特にリリース後の1年間は、モノづくりと改善のサイクルをなるべく速く回す必要があり、アプリデザインに大きく手をかけることは難しい状況でした。
しかし、ユーザーが47都道府県・15万人に広がるなど、サービスとしても一定の手応えを得て、基盤も整ってきたこのタイミングで、あるべきユーザー体験を整えたいという思いがあったんですね。
そこで、アプリデザイン全体をプロに見ていただき、より良いユーザー体験を提供するために、ゆめみさんにチームに入っていただきました。
ジョインしていただいてからは、まずチームとして一体になるために、ワークショップ等を通じて目指すべき方向性を擦り合わせました。そして、ユーザーさんからの要望やご意見などを全て並べた上で、どのタイミングで何を改良していくべきなのかを擦り合わせ、新しいクリエイティブの制作を進めていきました。
これまでのtaknalは「がむしゃらに作ってきた」感覚だったのですが、リリースから3年目を迎え、ここからが事業としては本番です。マネタイズの検証を含め、サービスとして次のフェーズに進むタイミングが来ていると思いますので、とても楽しみですね。
中村様
taknalのアプリデザインのメジャーアップデートを目指している途中に、富田さんから私へPO交代というタイミングがありました。
新規事業開発を始めたばかりの私にとってかなり厳しい環境ではありましたが、今までそれぞれの想いで動いていたメンバーを本当の意味でのチームにするためのビジョン再構築や、メンバー間でのコミュニケーション促進、そしてメジャーアップデート後の市場の反応に対するプロとしての知見の共有など、ゆめみさんには沢山のご支援をいただいきました。
そしてそのおかげで、ゆめみさんをはじめとするチームメンバー全員でコミュニケーションを取りながら、新たなユーザー体験を考え抜くことができました。
単にデザイン性を良くするだけではなく、同じ目線や立場で事業を創っていただきました。そしてチーム全員が真剣に取り組んできた結果、既存ユーザーの皆様やこれからユーザーになっていただく皆様にとって、より楽しくtaknalがご利用いただけるようなものが出来上がったと思います。
ですがこれで終わりではなく、マネタイズの検証や、「事業として成立するか?」といった課題は山積しており、今後も常に走り続けなければなりません。ゆめみさんとはこれからも、同じチームとしてサービスを良くしていけたらと思います。
本プロジェクトに「出張CDO(Chief Design Officer)」として参画したゆめみ CDO/シニアサービスデザイナーの野々山 正章のコメントは以下の通りです。
今回、サービスデザイナーとしてジョインさせていただいていております。いわゆるデザイン領域に限らず、プロジェクトマネジメントやチームビルディングの領域まで、幅広く関わらせていただいています。
例えば、チームメンバー各々がもつ興味関心を話しやすい場づくりとして、Slackのインフォメーションチャンネルを立ち上げました。メンバーが日々気になったことを共有しながら、新しいデザインの質的な側面での意識を揃えていくことに役立っています。
また、議事録やバックログ管理という点では、4社で共有しているNotionでのプロジェクト管理フローの構築や、運用のアドバイス、定例会議体の設計、ファリシテーションなどもさせていただいています。各メンバーの機能を越えたつながりを構築することで、プロジェクトに加速度を与える役割も担っています。
デザインリニューアルについては、最初のローンチから2周年の節目に行うメジャーアップデートの支援だったのですが、「アプリの見た目をよくするだけではダメですよね」という話をさせてもらって。まずは目指したい成果の認識をチームで揃えた上で、具体的なデザインアイデアをゆめみ側からもどんどん提案し、その効果が見た目だけではなく「どんなユーザを増やし、どんな展開を生み出しそうか」を対話していくことで、プロジェクトを牽引していきました。
優れたコンセプトをもつアプリなので、それを通してやりたいことや目指したい世界などを一緒に掘り出して、POやエンジニア、デザイナーと共にロードマップを引き、プロジェクトを進めていきました。
その中では、改めてビジョン構築に立ち返る取り組みなども行いましたね。こうした「共創する」環境をつくっていったことが、信頼関係の構築につながったのではと思っています。